春の穂高は輝いている
梓川は雪解け水で川幅を広げていた
ほとりにはケショウヤナギが青々とした若葉を芽吹かせている
見上げれば雪をかぶった明神岳がいつもより威厳に満ちた様子でたたずんでいた
徳澤のキャンプ場は賑わいをみせ何かのお祭りのようだ
本谷橋からは雪の上を歩く
照り返す日差しが肌を焼く
時折、吹き抜ける風がほてった身体を癒してくれる
登山者は列をなし一路、涸沢をめざす
山小屋が見えてからが遠く歩めども近づかない陽炎のようだ
真新しいデブリが登山道に迫っていた
寒暖差が激しいこの季節は雪崩にも気を遣う
どのような地形に雪崩の後があるのか良く観察すれば多くの危険を避けられるだろう
涸沢には数えきれないほどのテントが張られていた
こんなに広いのに身を寄せ合うように集まっているのは何故だろう?
翌日は小豆沢を詰めて白出のコルから奥穂高岳の頂をめざす
取り付きの岩場には登山者が張り付いているが見ている方が恐ろしい
雪のついた岩場は夏道どおりとは限らない
右手に張り付いた氷に目を向けるのは私だけ?
稜線を覆っていたガスはすっかり晴れ山並みが姿を露わにした
稜線は思いの他、雪が少なく岩が多い
既に多くの人は去ったあとなのか山頂の人影はまばらだった
風は強いが厳しさをさほど感じないのはやはり春だからだろう
素晴らしい山小屋にもう一泊して翌日は早朝に下山の途についた
昼過ぎに関わらず渋滞にしっかりはまってGWの洗礼を余すことなく受けることとなった
3日間 好天に恵まれた素晴らしい登山日和であった
賑やかな山
静かな山
どちらも悪くはない