梅雨時期のアルプス。
ところどころ雪渓が残るが稜線近くは高山植物の旬を迎えている。
週間予報を見ているとうつ病になりそうになる。
ひとたび山へ繰り出せばそんな気持ちはどこかへ飛んでしまうものだ。
この時期、予報ははっきりって前日ならないとあてにならない。
1週間前から予報を見てもはっきり言って時間の無駄。(でも見てしまう)
雨が降ったらカッパを着ればいい。
そんな気持ちがあれば、思いがけない風景や生き生きとした花々に出会えるだろう。
歩き出すと道は多くの花々に覆われていた。
今回の目的は「キタダケソウ」を見に行くこと。
この山にしか自生しない固有種である。
キタダケソウが咲いている時期は短いので、本来ならその花目当ての登山者が押し寄せる。
コロナや続く長雨が足を鈍らせているのだろう。
大樺沢の左俣をたどる。
この時期の雪渓は踏み抜きに注意が必要。夏道も岩が安定してなくて歩きづらい。
途中、アイゼンのない登山者とすれ違ったけど危険極まりない。
しかも既にガスで視界はあまりなく、初見ではルートファインディングが難しい状況。
山の経験が少ないと危険への予知も未熟だからリスクを想定することができないのだろう。
登るにつれて咲く花も変わっていく。
以降はお花の紹介を中心に。
さすが花の北岳!!
北岳山荘への巻き道へ入るとお花畑の規模が大きくなってくる。
これはハクサンイチゲ。
そして…
ついに
キタダケソウ!!
あった!
美しい!!
ハクサンイチゲとにてるけど花びらが薄くは先がギザギザ。シワシワ。
ガスに覆われていた稜線も夕暮れ時に幕が開いて周りの山や富士山を望むことができた。
夜は叩きつけるような雨が降り続けて眠りを妨げた。
もっとも山小屋のトタン屋根で音が何倍にも増幅して聞こえるのは分かっているのだが…。
それでも人間心理として不安な気持ちが高まってくる。
翌日、雨がそれなりに降っていたが外に出てみると風がなければ気にならない程度だった。
それでも予報は豪雨に変わっていたので山頂を踏まずに最短コースで下山した。
結果、雨も止んで時折日差しも見えた。
海沿いは警報級の大雨となったそうだ。