6月というのに猛暑日の予報
快適なクライミングを行うにはなるべく標高を上げるしかない
ターゲットは瑞牆山の本峰周辺
標高2000mを越える場所
左から大ヤスリ岩・弘法岩・瑞牆山本峰・紅葉岩峰
紅葉岩峰の更に右に鋸岩、写真にはないがさらに右に離れて天鳥岩がそびえ立つ
今日は鋸岩・左岩峰のワンポイントルーフ(4P/10b)、紅葉岩峰のピーターパン・シンドローム(5P/5.9)
あわよくば本峰南壁の右に位置するクレオパトラフェースの継続を狙う
瑞牆本には掲載されているが、ほとんど記録の見当たらない魅惑のワンダーランドである
登山道から本峰南壁の基部を過ぎてトラバースしていくとガレ沢に出合う
鋸岩に行くにはまずはこれを詰める
しばらく登ると右手に真ん中にクラックの入った大岩が現れるのでこの下部から右手に入る
入口には最近つけられたと思われる白いテープが木に巻かれていた
トンネルをくぐっていくと左岩峰の基部に出る
トポには「下部にスラブを持つ無名岩峰があり枯れ木を使って取り付くとある」
…がまったく分からない
しばらくテープに従って進むと綺麗な岩壁に出るがトポの記述とは合致しない
美しいフレークを持つ岩、ビショビショ
手前のスラブの上部にはRCCボルトがあった
更にトンネルを抜けて進む
これも違う…
天鳥岩が以外に近い
岩をくまなく歩いて複雑な鋸岩の概念をつかむ事が出来た
ルートの取り付きを戻りながら消去法で探す
周辺岩峰も余すことなく見て、結局1時間半ほど彷徨する
最終的に「これではないだろうが、これ以外はもっとない」と思われるスラブに取り付く
結果的に取付きは正解だったがトポ記載では立って表記されている枯れ木は倒れていた
探りながら行ってみることにする
トポではスラブを登るようになっているがプロテクションは取れず完全フリーソロになるので左のチムニーを行く
チョックストーンの隙間を抜けたりしながら進む
穴を抜けたところでビレイ
トポのラインは最後が濡れていて取り付かなくて正解
2ピッチ目(トポの1ピッチ目後半)はなんと新しいボルトが打ってあった!
ここもトポでは中央のワイドクラックを登る表記だったが、
新しいボルト位置が右へ導いているようだったので右上の小ハングを目指す
快適なハング越えをして岩峰のピークに立つ(下部からは岩峰であることを伺い知ることはできない)
瑞牆山本峰方面を望む
左岩峰へ一度懸垂して取り付く
3ピッチ目はトポでは右の木の生えたチムニーからピーク直下をトラバースして回り込む表記となっている
快適そうなのは左端のチムニーだが難しそうだし、濡れてそうだったので却下
5.5のチムニーとのことだがヤブが酷すぎて視界がなく右にそれてしまったようだ
上部はヤブから解放されて右からトップアウトできそうだったが最後の岩で行き詰る
仕方なしに斜めのワイドクラックをクライムダウン
最後に再びワイドを登ってトップアウト!!
ロープが重かったが有効なカムもなかったので結局1ピッチで岩峰上へ
青がトポ上の正規ライン? 赤が私達が登ったライン(大体5.9くらいか?)
裏側に懸垂して稜線をコルまで歩き登路のガレ場を下って紅葉岩峰へ
紅葉岩峰の「ピーターパン・シンドローム」も取付きは不明瞭
写真は2ピッチ目
1ピッチ目はヤブ&岩で以外に悪い
2ピッチ目はスッキリとしたクラックから始まりスリルのあるスラブ、とどめのヤブ
3ピッチ目は奮闘的なオフィズス
一度懸垂して
4ピッチ目は汚いチムニーから
上部はオフィズス(左の)
最終ピッチは頂上の岩を綺麗に断ち割ったオフィズスからフィンガークラックへ
ピークから懸垂してわずかに歩くと瑞牆山山頂
いい時間になったので本日はここで終了
山頂に立つと充実度が違います
山頂から後続の仲間のクライマーが最終ピッチを登っているのが見えた
綺麗なチムニー、クラック、ときおりヤブのワイルドなルートを心ゆくまで堪能
喧騒を忘れ冒険的なクライミングを趣向する人には素晴らしいエリアである
まだまだ未知の要素が多いので開拓・初登も可能だろう
うろうろしたり藪漕ぎしたり初見の難しさもあり時間が掛かり3本継続はならなかった
トータル15時間のワンダフルなクライミングとなった
最後に登ったラインを示す(貴重な写真)
鋸岩・無名岩峰~左岩峰「ワンポイントルーフ」
登ったラインは岩の裏側を通っている部分が大半
トポとは8割ほど違うラインを登っているので違うルートといってもよいだろう
紅葉岩峰「ピーターパン・シンドローム」
写真は2ピッチ目から(1ピッチ目は岩の陰)
所々のヤブがなくなれば随所に美しいクラックが現れる好ルート
要剪定作業か?
素晴らしい岩々があなたの訪れを待っている!?