日本を代表する岩稜といわれる北鎌尾根。
その荒々しい稜線は槍ヶ岳を起点とし、幾つもの鋸歯を連ねて谷筋へと落ち込んでいる。
北鎌尾根へ取り付くには尾根の末端・千天の出合付近からが正しいが夏季は藪が深い。
合わせて沢を離れてから水が取れないことなどから北鎌沢出合からとするのが一般的だ。
北鎌沢出合までも湯又から天上沢を詰めるものと、
大天井ヒュッテ経由で貧乏沢を下るもの、
槍沢から水俣乗越を越える3つがある。
我々は水俣乗越経由で…とにかく暑い!
長いアプローチも厳しさの一つ。
酷いガレ場を下って北鎌沢出合を目指す。
天上沢は大雨の影響か昨年に比べずいぶん荒れていた。
天上から見上げる槍の穂は…遠い!
翌日に備えて英気を養う。
食事は粗末でも心は満ち足りている。
真っ暗な中、北鎌沢を遡る。
天狗の越掛けから独標を仰ぐ
稜線は脆い岩場が続く。
踏み跡は錯綜し初見での判断は難しい。
間違えて戻った踏み跡ほどよく踏まれているものだ。
脆い巻き道よりも硬い稜線。
グイグイ登る。
独標からは槍ヶ岳の雄姿が!!
ここで道半ば。
ここで、なんか怪しげな雲が現れる。
その後、しばらくして晴れ予報が裏切られる。
眼下に綺麗な虹も見れたし、本降りでないのでまあいいか…。
敗退も容易でない北鎌尾根。
ここまで来たら前へ進むのみ。
幾度とない「あと少し」の励まし。
次第に通用しなくなる…。
北鎌はやっぱりタフなルート。
視界のない中、最後の登り。
ホントに最後。
どんなに厳しい道のりでも、少しの眺望も、祝福してくれるギャラリーはなくとも。
やっぱり山頂では笑顔。
翌日はうそのような快晴。
結局、槍の穂先へ登る時だけ風雨。
これもまた山…。
そして槍平で謎のガッツポーズ!!
サポートしてくれた玄希くんありがとう!!