3連休の八ヶ岳は様々な表情を見せてくれた。
入山時は温かく、昼過ぎから湿った降雪があった。
夕方からはぐっと気温が下がり、日曜日にかけて風雪の荒れ模様に。
月曜は風はやや残ったが冬型がきまって絶好の登山日和となった。
初日は鉱泉へのアプローチついでに近場の氷へ。
動き方の基礎を指導した。
翌日は北西風がかなり強まる予報だったので稜線歩きは諦め、風の弱そうな峰の松目沢・南東沢へ。
沢の中は風の影響が最小限だった。
このF2は途中まで登ってみると大穴が開いていて滝が丸見えだったのでクライムダウンして巻いた。
ハイライトの滝はよく凍ってた。
…と思ったら登攀ラインは水が滴っていて濡れた。
下降する時には青空が見えるようになってきた。
3日目は石尊稜へ。
まだアプローチ段階。
核心の岩壁が見えてきた。
見た目傾斜が緩いが登ってみると…。
それなりの傾斜はあるしホールドが細かく、脆く、気が抜けない!
さらに上部の草付きが流れてしまったらしく、最後に乗越の核心が生まれた。
寒さや岩の冷たさも冬季クライミングの一つの要素。
クライミングだけでなく環境への対処も技術のうち。
2P目以降は快適な雪壁、雪稜に。
新雪と青空、黒い岩。
美しい。
上部岩壁までは美しいノートレースのスノーリッジとなっていた。
阿弥陀岳を背後に。
後続パーティーが追従する。
素晴らしい天気の中、稜線へと飛び出した。
石尊稜は初級向けとはいえ総合的な技術力が問われるルートだ。
時には深いラッセルを強いられるし、アプローチ、岩壁、雪稜と雪山の様々な要素がそろってる。
八ヶ岳バリエーションのステップとして阿弥陀北稜、赤岳主稜などの次のステップとなるルートだがそのステップは思いのほか大きい。
雪山の実力を養うには一度や二度の経験では賄えないものがある。