源次郎尾根 2020.summer

人気のない室堂バスターミナルを出ると青空が見えた。

とりまく山々は稜線が見えている部分と雲におおわれている部分が半々くらい。

立山駅までは雨がザーザー降っていたりして重たい気持ちだった.

ケーブルに乗って美女平についたら薄日がさして雨雲の上に出たみたいだ。

別山乗越へ向かう途中に15分ほど強い雨に降られた他は良い天気だった。

この日は一日振られることを予想していたけど良い方に外れた。

この時期の天気予報はあてにならない。

剱沢小屋は定員を半分にして営業している。

寝床は8人部屋に4人。

カプセルホテルのようにしっかりとした仕切りがあるので、感染対策も万全だし、いつもより広々使えて快適なほど。

食堂も個々に仕切りが設けられているし、スタッフの努力が素晴らしい。

夕方は隠れていた山頂部も顔を出してくれた。

翌日は4時に出発し明るくなると同時に尾根に取り付く。

尾根全体を通して今シーズンほとんど登られていないためか大きな浮石が多く注意が必要だった。

次第に天気が良くなって青空が多くなった。

雪渓と八ツ峰の岩稜が美しい。

Ⅱ峰からの30mの懸垂は源次郎尾根のハイライト。

しつこく残っていた山頂部のガスも晴れた。

でもそのあと、また隠れてそのままだった。

山頂直下に雪田があって雪を踏む必要があるか?と思った。

行ってみると絶妙に抜けられる道があった。(なくても巻けたけど)

山頂には誰もいなかったが、そのうち単独行の男たちが集まり始めた。

彼らはみな早月尾根を日帰りする猛者たち。トレランが多いようだ。

下山は長い早月尾根へ。

苦労して下降した正月のことが思い出される。

やっぱり複雑な地形で難しい。

うんざりするくらい下ってようやく馬場島へ。

最後に見つけたヤマアジサイの色が疲れをいやしてくれた。

源次郎~早月尾根下降は長いので次は小屋に一泊してから帰ろう!