林道が開通して山小屋も営業を始めたばかりの尾瀬
今年の積雪は多く木道はまだ雪の下
登山者よりもスキーヤーが多い
鳩待峠でバスを降りて山の鼻へと下っていく
樹々の隙間から至仏山が顔を出す
豊富な雪をまとって真っ白な姿
広々とした尾瀬ヶ原に降り立ち
今宵の宿の竜宮小屋を目指す
この時期、大きな池塘は現れ始めるが今年はまだ見られない
振り返れば至仏山が大きい
黒々として険しい男性的な山容を見せる燧ケ岳
白くたおやかで女性的な山容の至仏山
尾瀬ヶ原を挟むように相対する二つの山が尾瀬の風景を絵画的に彩っている
途中の川に架かる橋の上には崩れた雪が不安定に乗っていて通過には慎重を要する
ちょっとしたアドベンチャーが平坦で単調な道にアクセントを加えてくれる
竜宮へ向かうメインの登山道に沿った橋には既に踏板が入っている
流れる川の水は雪解けで勢いを増し春の訪れを感じさせる
平坦な湿原をうねるように流れる川
アラスカの湿原をセスナに乗って上から見下ろし眺めた風景が想起される
歩くほどに大きさを増す燧ケ岳
古き良き尾瀬の山小屋の雰囲気を残す竜宮小屋
平日ということで泊まり客は私たちを除くと3人だけ
ゆっくりとした時が流れる
放射冷却で冷え込んだ朝
川霧が湿原を舐めるように流れる幻想的な風景
「 お元気ですか~!! 私は元気で~す!! 」
広大な空間に人気はない
大きな声で叫んでも大地に消えて、風の音だけが響いている
踏板のまだ入っていない橋を慎重に渡る
緩やかな尾根をたどって稜線へ出ると南会津の山々が出迎えてくれた
会津丸山岳の向こうには飯豊連峰
右手遥かには朝日連峰が佇んでいる
幾度となく歩いた懐かしい山々
雪さえあればどこでも歩くことができるのが春山の魅力
登山者自らの想像力とセンスによって無限の可能性が生まれる
雪庇に気を付けながら最後のナイフリッジをたどる
貸し切りの山頂で一枚
下降は最短コースの尾根から
最後までアドベンチャーは続く
雨の間の貴重な晴れ間に恵まれて
爽やかな春の尾瀬を心ゆくまで楽しむことが出来た◎