三ツ峠・四十八滝沢アイスクライミング

ひと気のない北登山口は鳥の声もなく静寂が漂っていた

道は荒れ落ち葉は深い

雑木林の中の登山道を進があたりに雪のかけらもなく晩秋の装い

目指す沢からは水の流れる音が聞こえてきて「本当に氷があるのか?」にわかに信じがたい

始めに出合う「初滝」は確かに氷はあるが半分は水流が見えていた

氷も裏が透けて見える薄さで人の体重を支えてくれそうにもなかった

ここは登山道を使って高巻いて隠れた位置にある「三段の滝」へ向かう

登山道が沢を横切るところから入渓して装備を整える

はじめは氷の厚そうなところを選んで歩くが踏み抜きに気を遣う

氷も雪のないゴーロをアイゼンで歩くのが一番疲れる

「大滝」の流心が露出しているのはいつものこと

それなりに氷があれば両側を登れるらしいが今日はあまりに危ういので左から巻いた

次の滝は右側を岩を叩かないように登る

登るにつれ氷はしっかりとしてきた

ナメ滝を行くがゆるい傾斜ほど登りずらい

勿論、転んだら怪我をするので慎重に…

登るにつれ遠くの景色も広がる

背後は鶴ヶ鳥屋山か

「白竜の滝」と思われるもの

滝が連続しているのでどこで区切るか、何番目なのかわからなくなる

沢の名前が示す通り滝は次々と連続して現れる

面白そうなラインを選んで進む

ここは一日中陽が射さない

だから氷が発達するんだけど歩く分には明るい方が気持ちいい

それでも少しも寒さを感じず、上着も脱いで登れる

標高が低いこともあるが、何より気温が春のように高い

「大寒」にあって最も寒い時期とのことだが、冬はどこに行ったのだろう?

「白竜の滝」過ぎてしばらく行くとこの先、滝がなさそうだったので下山することとした

を懸垂を交えて登山道が近づく場所から歩いて降りた

純粋なアイスクライミングとしては少々物足りないが冬季遡行としては味わいが深いものがある

平日に貸し切りで楽しむことが出来たのが喜ばしい

昨今はどこへ行っても人が多く、特にアイスでは危険も伴うので静かなことに越したことはない

アイスシーズン本番を迎えるが既に春の足音が聞こえる…