爺ヶ岳東尾根

アウトドア専門学校の i-nac (アイナック)の積雪期実習の講師として学生たちと雪山に行ってきた。

プランニングを各自持ち寄り最適な場所を検討して決めていく。

記録的な寡雪の今年。

藪漕ぎか?と危惧したが最低限の雪はあった。

ラッセルもそれなりにある。

標高を上げるといい感じに荒れ模様になってきた。

途中のナイフリッジでロープを出す。

段取りが悪く30mほどの部分に1時間を要す。

これもまた勉強。

序盤飛ばしすぎて大汗をかいたので皆、ガタガタ震えてる。

予定の幕営地よりも手前に風の強まる中、テントを張る。

幕営地の選定は雪山登山の重要なポイント。

翌朝は絶好の天気。

朝一から深いラッセル。

ラッセルにも技術があって闇雲に足を出しても疲労するばかり。

途中、足を止めて指導しながら進む。

力強い太陽の光が活力を与えてくれる。

しばし見とれてしまう瞬間。

みんな頑張ってる!

森林限界のアルパインエリアに突入する。

自分たちのつけたトレースを振り返る。

爺ヶ岳東尾根はクラシックルートとして昔から親しまれている。

力の入れどころ、抜きどころが分からないと徒に疲労する。

雲に覆われていた爺ヶ岳の中央峰が姿を現した。

近くて遠い。

でも近い!?

風の強い山頂では疲労もあってあまり喜ぶ余裕がない様子。

カラ元気でもいいから派手に喜んでいい場面だ。

稜線歩きは気を遣う。

ルートファインディング、強い風、雪庇、滑落いろいろな危険がある。

しっかりと現在地を確認する!

コミュニケーションも大事な要素。

剱岳は薄雲がなかなか取れず完全な姿を見せることはなかった。

常に状況判断に迫られる。

幾つかの選択肢をもって的確な判断をすることが求められる。

今日は快適なテン場を得ることができた。

山でしっかり料理して美味しいものを食べられるのはとても良いことだ。

登山とは生活そのものを楽しむものだから。

食当のセンスは私よりもはるかに良い。

下降は尾根が複雑に分かれているのでルートファインディングが難しい。

地図をしっかり見極めて的確な進路をたどることができていた◎

僕らの下った赤岩尾根のとなりにある冷尾根もなかなか変化に富んで手ごわい面白そうな尾根だ。

意欲のある学生たちは多くのものをどんどん吸収して、一日ごとに成長する姿を見せてくれた。

鹿島槍ヶ岳の山頂は踏めなかったが、この山行の前と後では見違えるほど頼もしい登山者となってくれたように思える。

次にまた逢う日が楽しみだ。