北八ツ 逍遥

波打つように大岩が連なる広々とした山頂は多くの人でにぎわっていた。

久々の晴れ予報。

7合目から登れる、比較的手軽で大展望の得られる蓼科山。

皆の期待の通り四方を見渡すと数えきれないほどの山に囲まれている。

多くの人とたちとすれ違うが、予想以上の急登りに皆息が上がっている。

途中の山小屋は以前来た時と比べると驚くほど華やかな印象だった。

木道や立ち枯れのシラビソが北八ヶ岳のイメージ。

双子山の山頂は広々としてゆったりとした時間が流れていた。

静けさを 水面に映す 双子池

昔泊まった時は、おしゃべりなおじさんが主人だったが、若い女性に代替わりしたようだ。

心のこもった料理や丁寧な案内に好感が持てた。

飲んべえも大満足。

北横岳へ向かう道は苔の道。

この子の柔らかさは空気のようだった。

近づいてみると繊細な美しさに魅了され、しばし見とれる。

積み重なる大岩を乗り越えて大岳を過ぎると七つ沼の向こうに南八ヶ岳の山並みが顔を覗かせていた。

青、蒼、藍、碧、Blue

澄みわたる空に心洗われ、吹く風に秋の匂いがした…。