知る人ぞ知る山。下越の御前ヶ遊窟(ごぜんがゆうくつ)へ足を運んだ。
シジミ沢のスラブ帯はハイグレードハイキングとしてその向きの人々を迎えている。
シジミ沢は準バリエーションルートだがソウケエ新道は尾根道なので左程ではないと踏んだ。
鍬ノ沢を渡渉しながら尾根の取付きへ向かう。
このコースはどうも下りに利用する目的の用で赤布などは登りでは見つけづらい位置にあったりする。
取付いてしまえばひたすら直登となるが、ところどころ鎖場が現れる。
上部は岩稜となって高度感が増す。
山頂まで僅かというところで垂直の巨大な壁に往くてを阻まれる。
手前であった単独の男性は道が分からないといってきた道を戻っていった。
大岩下部を下りながら巻いていくがヤブとスラブが中々に悪く、ロープを張って慎重に通過する。
思いのほか悪い道で先程引き返した彼の判断は正しいものだと思った。
又あらためて来ると言っていたが果たしてその時は訪れるのだろうか?
岩壁の基部には山名の由来となっている二つの大きな岩窟があった。
中は何十人も泊まれそうな大きさでその昔、平維茂の奥方が隠れ住んだという伝説が残る。
上部を見上げるとオーバーハングの岩壁に押さえつけられている。更に裏側へと回り込んでいく。
山頂部から突き出た大岩はまるで巨大な番犬のようだ。
最後のスラブを駆け上がるとようやく稜線へと戻ることができた。
山頂からの眺めは想像通り素晴らしく、山容ともに1000ⅿ以下の低山とはとても思えないものだった。
井戸小屋山を経ての下りは一転して穏やかなもので、あっという間に登山口へと戻ることができた。
次に来るときはシジミ沢から登ってみたいと思った。