短期講習「バリエーションルートへの道」の最終回としてマスキ嵐沢を遡行、鬼石沢を下降してきました。
実際の山行では難所に差し掛かった時に何処から登るか?ロープを使用するか?迂回するか?
といった判断に迫られます。
何てことないところでロープを使うと時間を浪費するし、逆に危険な場所でロープを使用しないとリスクが非常に高くなります。
その判断は個々の能力によって変わってくるので、まずは自分の力量を知ること。
そして難所を見極める力が必要です。
安全性を高めるためには積極的にロープで安全確保することが有効ですが、その際にロープワークが間違っていれば危険性が高くなってしまうこともあります。
またロープワークがたどたどしいと非常に時間がかかってしまい別のリスクが高くなってしまいます。
ロープワークを洗練されることが、積極的なロープ利用に繋がり、より安全な山行へとつながっていくのです。
沢登りは滝が出てくるたびに判断に迫られるのでとてもよいトレーニングとなります。
ただし、入門・初級の沢といっても支点が取りづらかったり、水流の影響があったりで慣れないとなかなか難しいものがあります。
難所を見極めるにはまずは想像力が大事になります。
難しくても落下距離がほとんどなければリスクは低いと見れます。
また傾斜の強さ、岩場の難しさの判断は普段の山行から意識的に見ることによって培われるものです。
クラインミングでいうと「オブザベーション→実際に登る→オブザベと実際の差を実感する」という作業を繰り返すことによってオブザベ能力が向上するというという流れです。
常にオブザベーション(予測)をして急斜面や岩場に取りついて感覚を養うことが重要です。
この場所のリスクはどうでしょうか?
ロープを使用するべきでしょうか?
見下ろしたこの滝はどれ位の高度差があるでしょうか?
持っているロープの長さで下降できる高さでしょうか?
下降した先は?
届かなかったらどうリカバリーする?
全ては判断の連続です。
判断のスピード。正確性。
ロープワークの手際。
課題は山積み。
まだまだ道のりはここから始まったばかりです。