国立登山研修所の講師として6月に引き続き講師として富山県の立山へ行ってきました。
国立登山研修所。正式には「独立行政法人日本スポーツ振興センター国立登山研修所」。
もともとは文部省の管轄で頭文字をとって文登研(ぶんとけん)などと呼ばれていました。
安全な登山のための指導者の育成や登山の健全な発展を図るための調査・研究を行い、山岳遭難事故の防止をめざしています。
今回は「安全登山普及指導者 中央研修会(第二回)」 。
大学や職場、クラブなどで登山の指導的立場にある方々を対象とした講習会です。
研修コースは「登はん技術」「読図・プランニング」の二つに加え、今回新規に「高等学校教職員」のコースが新設されました。
昨今注目度が高まっているのでテレビ・新聞の取材が沢山ありました。
私は今回「読図・プランニング」研修コース担当でした。
まずはコンパスの基本的な使い方を学びます。
コンパスの使い方で読図の壁に当たってしまう方も多いかもしれませんが、いたってシンプルな道具なので反復練習すればすぐに身に付けられます。
コンパスの使い方、等高線の読み方を学んだら実際に山で読図を行います。
地形図のしわ(等高線)には驚くほど多くの情報が詰まっています。
それを少しでも沢山、精確に読み取るのが読図のポイントです。
2日目は登山道を歩きながら読図をおこないましたが、最終日の3日目は道のない場所を藪を漕ぎながら進路を探していきます。
藪が視界を遮って難易度が飛躍的にアップします。
歩いた距離感や斜面の傾斜、方角など五感を研ぎ澄ませて進みます。もちろん経験も必要。
思い込みや感覚のずれ、不安、焦り、などいろいろなものが正しい思考の邪魔をしてきます。
大事ななのは客観的情報の積み重ね。論理的な推理力なんかも必要かもしれませんね。
急造パーティーで意見のまとまらない皆さん。
ここで小一時間ロスしました。
正解に近づいたとおもったら、遠ざかったり。みんなの意見をまとめるリーダ―役も大事な要素です。
失敗もまた経験。
今回は多くのものを学んでいただけたのではないでしょうか?
秋の気まぐれな天気に振り回されながらも充実した講習となりました。