瑞牆山の大面岩右稜線と聞いてピンとくる人は少ないだろう
大面岩左稜線は瑞牆に通うクライマーであれば一度は登るだろうし有名だ
ある時「瑞牆クライミングガイド」を眺めていると聞きなれない大面岩右稜線のルートが紹介されており、
それ以来気になっていた
グレードは瑞牆のマルチには珍しく易しい
情報はトポ以外ほとんどなかった
紅葉の盛りの中、大面岩へ向かう
カンマンボロン、左岩壁、正面壁の取付きを過ぎて小面新道へ入る
取付きは分かりづらくしばらく探し回ることになった
トポにある取付きの表現が難しく混乱を招く
実際は「避暑のエリア」にある「ブラックコーヒー11b」を見て背中側にある特徴的な蛇行したクラック
見上げると天窓のように岩に穴が開いている
中間部はやや傾斜を感じるハンドクラック
最後の穴抜けが苦しい
こんな狭い穴を抜ける
ザックを背負っては抜けられないので荷揚げをした方がいい
トポでは穴を抜けてしばらく進んでからピッチを切るように記載されているが、
穴を抜けたところの立木で切った方がスムーズだろう
トポ2ピッチ目の取付きが分かりづらい
結局は「パノラマックス」の1ピッチ目から登り、途中の松の木(本来の3ピッチ目終)で切った
本来の2~3ピッチ目よりもこちらの方がすっきりしていて断然よいだろう
凹角にボルトが打ってあるので目印となる
本来の2・3ピッチ目は殆ど木登り(終了後確認のため登ってみた)
これらは短いので実際はつなげて登るのが普通だろう
トポ4ピッチ目はチョックストーンのある広いチムニー
立木を利用して上がるところ以外は歩きに近い
そして岩を潜る
トポ5ピッチ目は木登りから右上
易しいがプロテクションの取りづらい箇所がある
6ピッチ目を繋げて「肩の庭園」まで
庭園で大展望が開ける
庭園から頂上直下の岩場までトポでは150mとあるが実際は15m
おまけのような頂上直下の短い岩場を登って大面岩のてっぺんに立つ
ここは左から巻いてあがることも可能(やや脆いが)
大面岩の頂上は本当に素晴らしい展望台となっている
右から小ヤスリ岩、十一面岩奥壁・正面壁
時間があったので帰りに「佐久間の塔」の展望台へ
大面岩正面壁を眺めるには最高の場所で日本離れした岩壁を望むことができるところ
左のスカイラインが「大面岩左稜線ルート10c」
高度感のあるフェースと慣れない人には難関のワイドクラックのあるルート
右稜線は「パノラマックス」の開拓のため
とりあえず十一面岩の頂上へアプローチするために登った弱点を突いたルート
純粋なクライミングのマルチピッチとは言えないけど
穴抜けや木登りなど探検気分を味わいたい人にはいいかもしれない
何よりも大面岩のてっぺんに上がることができるのが一番の魅力だろう
左稜線が厳しい方は右稜線から登ってみませんか?