Patagoniaのブログ・クリーネストラインに昨年、私が行った剱岳北方稜線が取り上げられています。
書いてくれたのは山行をともにした鈴木啓紀。
彼はパタゴニア社員であり経験豊富な日本を代表するアルパインクライマー。
そして同じ山岳会の仲間でもある。
私の剱岳北方稜線へのトライは3度、足掛け5年、延べ35日間。
2度の敗退の末、3度目の正直で達成することができた。
1度目の挑戦ではクリーネストラインでも名前の挙がっている同じ山岳会の戸知寛と。
この時は自分自身の経験・体力不足が大きかった。
2度目はガイド仲間の井出光俊と。
厳冬期・剱岳の本気の悪天につかまれ精神の弱さを嫌というほど思い知らされた。
この時の記録は特に公にしていないし、ブログにも書いていない。
気持ちの整理が中々つかなかったからだ。
機会があれば振り返ってまとめてみたいと思う。
3度目は完全縦走することができたが、鈴木啓紀、和田淳二という強力な仲間に助けられた。
そして、「これ以上の天気めぐりはないだろう」というほどの条件であった。
剱岳を目指した日々は今でも、昨日のことのうに鮮明に思い出すことができる。
数年前、戸知は穂高で逝った。
彼には縦走中、少し厳しい態度もとってしまった。
それは「飯の量が少ない」なんて、たわいのないことだった。
その時はそれがホントに重大事だった。
「トッチーあの時は少し言い過ぎた。スマン!」