仙水峠から見上げる摩利支天の岩峰と甲斐駒ヶ岳。

圧倒的な岩壁のせいか、あるいはその白く輝く岩肌のためか、強烈な印象をもって現れる。

9月の平日ともなれば、賑わいを見せた山も人影はまばらでどこか寂し気な印象を受ける。

乾いた風と澄んだ空、緑は心なしか色褪せている。

駒津峰をすぎて山頂へ向かう道は二手に分かれる。

摩利支天の方へ巻きながら登る道と岩塊を越えていく直登コースだ。

直登コースは岩場が続くが鎖などの整備はない。

一般的には巻き道をたどるのが安全だろう。

誰もいない山頂を後にして西へ向かう稜線へと入る。

石室へ向かう道は開放的な稜線で気持ちが良い。

ルートマークはほとんどないのでルートファインディングが必要。

六合石室は簡素な小屋だが、頑丈な造りで貴重な存在だ。

利用するものはチリひとつ残さぬよう心掛けて欲しい。

石室の正面からは仙丈ケ岳が優美な稜線を広げ佇んでいた。

夕陽はガスに邪魔されたが夜は満点の星空に包まれた。

日の出とともに小屋を発つ。

甲府盆地は雲海に沈み奥秩父の山並みが孤島のように浮かんでいた。

ガレ場にはイワインチンの花が咲いている。

森の中にはシャクジョウソウ。

三ツ頭を越えていくと鋸岳の岩稜が正面に現れる。

中ノ川乗越からグズグズのガレ場をたどる。

第二高点から第一高点を望む。

北アルプスが大波のように連なっていた。

タカネビランジが荒涼とした岩場に華を添えていた。

浮石の堆積した岩場は落石に最大限の注意が必要だ。

ハイライトの鹿窓を抜ける。

ここまでくれば第一高点は近い。

小ギャップから第一高点へと続く稜線。

はやる気持ちを抑えて進む。

穏やかな風が吹いて心行くまで景色を眺めていたい場所。

角兵衛沢の下りはいつも厳しい。全てが浮石。

年々悪くなっているように感じるのは気のせいか。

戸台川へを渡って癒しの森へ。

バスを待ちながら辿ってきた稜線を振り返る。

それにしても角兵衛沢は長いな~。

岩が落ち着くまでは訪れることもないかもね。