木戸前ルンゼ・相馬岳北稜

遠目には葉も枯れ落ちた山肌であったが、その懐に飛び込むとまだまだ鮮やかな紅葉を見ることができた。

むしろ褐色の風景の中にひと際、鮮やかな色彩が浮かびあがり目を引いた。

廃業してしまった国民宿舎・裏妙義の駐車場は満車。

天気の良い3連休だから頷けるけど、少し寂しくもある。

登山の疲れに熱いお湯が心地よかった思い出が残る。

木戸前ルンゼは文字通り木戸岩の手前に食い込んでいる。

出だしは傾斜の緩い枯滝を登っていく。

徐々に見晴らしもよくなってくる。

北風の強い日だったが、ルンゼの中は温かかった。

核心は写真の見た目よりも傾斜がある。(上部に見える人は先行パーティー)

右手の凹角を登るが、回り込んでみるまで先が見えないので少しドキドキする。

支点は隣の木戸岩・右カンテほど過剰にあるわけではなく、かと言って少ないわけではなく好ましい感じ。

岩も概ね堅いようだ。

終了点のコルに出て隣の岩の上に立つと丁須岩を望むことができた。

どれか分かるかな? 人がいるよ。

下降は落ち葉の埋める木戸前ルンゼ裏沢へ。

所々、懸垂を交えながら迷路のような岩を縫った道を下る。

この下りもアドベンチャーな感じで楽しいので、木戸前ルンゼとセットで一つのルートとして考えると楽しめる。

翌日は相馬岳北稜へ。

今日も天気がいい。

幾つもの岩峰を連ねる相馬岳北稜は妙義バリエーションでも難しい部類にはいるようだ。

岩峰を直登したり巻いたり、懸垂したりとルートファインディングに頭を使う。

一見すると一続きに見える尾根も不意に断崖となって行止まりとなる。

スーパーマリオならジャンプで飛び越えるところだが…。

露出感のあるヤセ尾根を下る。

岩も脆く慎重を要す。

だんだん懸垂下降にも慣れてくる。

奇岩林立の間を縫って歩く。