日本を離れてカナダへと移住し数十年。
「アルパインクライミングの締めくくりとして若かりし頃、登り残した一ノ倉の壁を登りたい。」
そんな希望を叶えるために谷川岳へと足を向けた。
そんな思いを汲んでくれたのか絶好の登攀日和となった。
この時期のアプローチは雪渓を利用できるのですこぶる快適だ。
テールリッジは日差しをまともに受けて灼熱のアプローチとなった。
数パーティーが先行するがほとんどが中央稜に取りつくようだ。
アプローチとは言え油断できない岩場がある。
不安視されたブロックは落ちきっているようで壁の状態は良好。
いざクライムオン!
登るほどに風も出てきて快適な環境に。
この高度感が心地よい。
最後の難所を越えれば終了点は近い!
思いを遂げて充実の登攀となりました。
明日に延ばしてもいいのは、
やり残して死んでもかまわないことだけだ。
- パブロ・ピカソ -