連日の昇温と強い雨で稜線の雪はあっという間に消え、白かった山は随分と岩肌を露わにしていた。
上高地が新緑に覆われるころに見上げる穂高連峰。
残雪をまとった姿は多くのひとの心に深く刻まれる風景に違いない。
私が学生の頃から上高地に行くたびに見かける画家のおじさん。
何十年も穂高を描き続けている。
天気がいいというのにGWとは打って変わって岳沢小屋は日帰りで訪れる外国人観光客を除いて貸し切り状態だった。
早朝のルンゼは岩にベルクラが張ってデリケートなクライミングとなる。
明神岳を背に高度を稼ぐ。
時折現れる岩場が良いアクセントとなる。
いつしか吊り尾根と同じ高さとなる。
最後の急雪壁を詰めると南稜の頭へと飛び出す。
たどり着いた奥穂高岳の山頂からはこの時期ならではの素晴らしい絶景が!
下山はジャンダルムを越えて天狗沢から。
天狗沢には落石が散在していて、目論見の尻セードはできず仕方なく足で降りた。
この時期の穂高は光に溢れている。
南稜は素晴らしいクラシックルートだ。