南紀 神須ノ鼻クライミング

鬱蒼とした照葉樹林から懸垂下降すると、遥かに広がる水平線とそれを断ち切るようにそびえる岩壁が視界に飛び込んでくる

思わず下降を止めて驚くべき景観をしばし眺める

その時、クライマーであれば胸の高まりを抑えることはできないだろう

波打ち際の岩石海岸へと降り立つ

荒い波濤が行く手を突如として障壁に遮られ砕け散る

南向きの岩壁は真冬だというのに熱気に包まれ汗が流れ落ちる

岩に刻まれた幾筋ものクラックがクライマーを高みへと誘う

見惚れるほどに美しいオープンブック

刻まれたか細いクラックは指の太いものの侵略を拒む

30mのスケールを持つ「とこしえ(5.11-)」へ挑む

終了点を除いては一本のボルトもなくトラディショナルなクライミングが堪能できる

プロテクションが悪く緊張感のある下部からダイナミックな上部へ

こちらは最後まで飽きさせない内容の「日の丸(5.11-)」

ややトリッキーな核心部をこなす

神の創り出した絶妙なホールドがちりばめられている

ロケーション、クオリティ、スケールどれをとっても極上

必ずまた訪れることだろう…