一月後半はやけにアイスクライミングづいていて11日間で8日も氷を叩いていた。

最後の締めとして八ヶ岳の「峰の松目沢」を登った。

「峰の松目」は大変地味な存在で大抵の人はどこにあるピークなのか指し示すことができないかもしれない。

そもそも名前自体が山頂をさしているようにも思えないものだ。

「松目の峰」ならそれらしいが、「峰の松目」なのである。

しかし非常に控えめな存在が自分自身と共通する部分を感じるのか、妙に愛着があったりする。

沢を詰めること15分ほどで傾斜の緩いF1が現れる

美濃戸から赤岳鉱泉へ向かう途中・右岸にやや岸が広くてのんびりと休みたくなる場所がある。

そこに幾つか小さな沢が出合うが「峰の松目沢」はそのうちの一本だ。

そして紛らわしいのだが、「峰の松目沢」にはピークから南西に走る沢と南東に走る沢があり、今回登ったのは南東のものである。

F1を足慣らし(手慣らし?)で越えるとすぐに傾斜のあるF2が現れる。

寒波の影響か氷は堅く時に大きく割れてしまう。

その後、小ぶりな滝を幾つも越えていくと徐々に沢は開ける。

真ん中に見えているのはF8かと思われるが、小滝が多いのでどれをカウントするか迷うほどだ。

前日の降雪で深いところは40㎝ほどの新雪があったが先行者のトレースに助けられ快適に進むことができた。

F8の上に人影があるがどうやらソロクライマーのようだった。

最後の滝はややボリューム感にかけて登れるラインは限られていたが、多くの人に登られているせいか穴だらけでそれほどアックスを振るう必要もなく登ることができた。

氷は少し前に比べると痩せてしまっているようだった。

帰路は同ルートを下降した。

幾度となく懸垂していく。

登っている最中は気が付かなかったが、ここは赤岳の絶好の展望台であった。

最も午前中は厚い雪雲に閉ざされ強風も吹き荒れていた。

出合いへと着くころには、吹き抜けていた風も収まり穏やかで抜けるような青空が広がっていた。