飯豊連峰の門内岳から西南西へ起伏を繰り返しながら伸びる尾根の末端に焼峰山(やきみねやま)は位置する。
山麓からは鋸歯状のピークを連ねた独立峰のように見える存在感のある山だ。

登山口は加治川ダムの堰堤近く。
本当は隣の蒜場山へ向かうつもりだったが、昨日の冷たい雨が山の上では雪になっていたようなので標高の一段低い焼峰山へと矛先を変えたのである。
のっけから現れるひしゃげて錆びた鉄梯子が前途の多難さを伺わせる。


身体が温まる前から急登に次ぐ急登が続く。
ベンチのある袖ヶ峰で一息ついた後はヤセ尾根のアップダウンがどこまでも続く。


ヤセ尾根にぬれ落ち葉。挙句に雨もぱらついてきて気持ちが上がらないがリーダーの完登の意思は固く飽くまで前へと歩を進める。


追い打ちをかけるように雪が現れる。
ただでさえ滑りやすい足元は更に悪くなる。

それでもなお表面の雪を落ち葉ごと足で払いのけながら前進を続ける。
心は雪中行軍の兵士のごとし。


最後の岩場の急坂をトラロープにすがりつきながら身体を持ち上げると標識の立つ「焼峰の頭」へ。
ちなみに読み方は「やきみねのかっち」…。「かっち」?

越後でははピークのことを「かっち」「高手」といったり、尾根を「そね」といったりする。

日本海・飯豊・川内山塊を望む大展望のピークは今日は濃い霧に閉ざされていた。


標高を下げるとガスは晴れ、西の空には青空が見えるようになった。
東に目を移すと雪をまとった飯豊連峰の尾根の一部を見ることができた。
今年の雪は例年より早く紅葉と同時にやってきた。


碧い水をたたえた加治川ダムを見下ろすことができた。
周囲の紅葉は素晴らしい。


雨上がりの黄葉はよりいっそう輝いていた。

 

燃えるような紅葉に焼峰山の名前の由来はこれにあるのではとふと思った。


帰路、振り返ると焼峰山が鋭い稜線を連ねていた。
越後の山は侮れない。